「わたしの学校生活の一ページ」より


 エロシェンコが書いた「わたしの学校生活の一ページ」(原題 Un pagheto en mia lerneja vivo)という文章から、冒頭のごく一部分を取り出してみます。
 この文は、宮本正男訳注『やさしいエスペラントの読み物』(大学書林語学文庫)から引用させていただきました。

 以下にホームページ管理者による簡単な解説を試みますが、アヤシくて、ツタナい「怪拙」なる解説ですので、エスペラントをしっかり学びたいという方は、こんな説明などを当てにしないで、ぜひきちんとした学習書などをお読みください。

 エスペラントには独特の文字がいくつかあります。以下の文中には、g の上に符号がついた文字が出てくるのですが、ここでは gh という2字で代用しています。
(このページ末尾の「エスペラントの音声読み上げについて」も参照してください)


  【エスペラント本文】

 Mi estas blinda, mi blindighis kiam mi estis kvar-agha.
Kun larmoj kaj plendoj mi forlasis la regnon de l' belaj koloroj, de l' brila sunlumo.


  【日本語訳】

 わたしは盲目である。四歳の時に盲目になった。
数知れぬ涙や愚痴と共に,わたしは美しい色どりと輝かしい日光の国を去ったのである。


  【カイセツ】

 mi
 「わたし」
 文のはじめなので、大文字で書かれています。

 estas
 「〜である」
 動詞の現在形は -as がつきます。

 blinda
 「盲目の」
 形容詞は -a で終わります。

 blindighis
 「盲目になった」
 説明すると複雑ですが、blind-igh-is と分解できます。もとになっているのは、 blinda「盲目の」という形容詞で、まず、形容詞であることを表す語尾 -a を取り除いて、そこに、「〜になる」といった感じの動詞をつくる -igh- がつき、さらにそのあとに、動詞の過去形を表す -is がついて、blindighis「盲目になった」となります。

 kiam
 「〜の時に」
 この語の後に続く部分を受けて、全体で「わたしが4歳だった時に」。

 estis
 「〜であった」
 動詞の過去形は -is がつきます。さきほどの estas-as が、-is に変わっているだけです。

 kvar-agha
 「四歳の」
 kvar「4」と、agho「年齢」の複合した語が、ここでは、名詞であることを表す語尾の -o-a に変わって、形容詞になっている、と考えられます。

 kun
 「〜といっしょに」
 前置詞ですので、後ろにほかの語が続きます。ここでは「larmoj kaj plendoj といっしょに」。

 larmoj kaj plendoj
 「涙」も「愚痴」も名詞ですから、 -o で終わります。 -o のあとについている -j は複数形を表します。ふたつの語の間の kaj は「〜と〜」という意味の接続詞です。

 forlasis
 「去った」
 過去形ですから -is

 la regnon
 「国を」
 la は冠詞です。 -o で終わる名詞 regno のあとに「〜を」を表す対格語尾 -n がついて、regno-n

 de l' belaj koloroj, de l' brila sunlumo.
 あと少しですね。最後はまとめてやってしまいましょう。

 de
 前置詞「〜の」
 さきの la regno がどんな国かというと、de 以下にあるとおり「美しい色どりの国」「輝かしい日光の国」だというわけです。

 l' は、冠詞 la の短縮された形です。

 belaj koloroj は「美しい色」。bel-a は形容詞。kolor-o は名詞。複数形なので、さまざまな色ですね。複数形を表す -j は、形容詞にもつきます。

 sunlumo
 「太陽の光」
 前にも出てきたとおり、名詞には -o がつきますが、これは名詞であることを表示しているだけなので、 sun-o「太陽」と lum-o「光」が複合すると、前半の suno のほうは -o が消えて、全体で sun-lum-o「日光」というひとつの語になります。


 以上、『やさしいエスペラントの読み物』の中の「わたしの学校生活の一ページ」から、その300分の1くらいを読んでみました。


エスペラントの音声読み上げについて

 山野敏夫さんが作られたエスペラント合成音声読み上げソフト ESPTAP を使うと、このページで取り上げた文や単語の読み方をエスペラントの合成音声で聞くことができます。

 ESPTAP の説明とダウンロードについては、http://www.tcct.zaq.ne.jp/yamano/soft/esptap.htm をご覧ください。


 このページでは、g の上に符号がついた文字を gh で表記しているので、ESPTAPによる読み上げの際には、「h方式対応(H)」をチェックして「読み上げ(Y)」を開始してください。



エロシェンコ

radiko(表紙)

inserted by FC2 system